2010/08/31 (Tue) 21:12
筑摩書房
1997年7月
太平洋戦争の激戦地ラバウル。水木二等兵は、その戦闘に一兵卒として送り込まれた。彼は上官に殴られ続ける日々を、それでも楽天的な気持ちで過ごしていた。ある日、部隊は敵の奇襲にあい全滅する。彼は、九死に一生をえるが、片腕を失ってしまう。この強烈な体験が鮮明な時期に描いた絵に、後に文章を添えて完成したのが、この戦記である。終戦直後、ラバウルの原住民と交流しながら、その地で描いた貴重なデッサン二十点もあわせて公開する。
ぼくは「第一線」という感じはぜんぜんしなかった。とにかく毎日面白いのだ。もったいないほど幸福な話だ。終戦後描いた絵物語風の戦記など未発表の絵と書下した戦争と南方の人間味溢れるドキュメント。
まず、漫画ではなかったことが予想外でした。
それと、多数掲載されているイラストが、あの御馴染みのタッチではなく、芸術的で上手いことに驚きました。
そして、悲惨なはずの戦争体験が明るく書かれていることにさらに驚き。
水木さん、ポジティブですね。
こんないやな目にあっても、希望を失わず、その現状を受け止め、陽気にやっていく強さは眩しい限りです。
こういう戦争体験記もありだと思いました。
内容★★★★
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