2011/04/10 (Sun) 13:29
光文社
2011年2月
30年続いた鹿間四重奏団は、最高のメンバーで円熟期という名の終焉を迎えていた。静かな包容力でカルテットを支えるチェロの伊井山。奔放な紅一点・ビオラの遼子。妖しげな美貌を誇るセカンドバイオリン文字相馬。老いてなお、禍々しいまでのエネルギーに満ちるファーストバイオリン鹿間五郎―。その鹿間四重奏団最後の日。違う場所、交わることのない世界でそれぞれの日々を生きる人々が、同じホールに向かう。ばらばらに生きる人々の人生が鹿間カルテットの音楽という横糸を得て、繊細なレース模様のような物語を紡ぎだす。胸をうつ語りと調べに彩られた、人生模様。
30年続いた弦楽四重奏団のラストコンサート。
それに関わる様々な人々の物語。
彼らを通して、様々な角度から照らされ見えてくるカルテットの形と音楽性。
劇的なことは何も起きないのに、惹きつけて止まない奥深さがありました。
それぞれの短編が奏でるハーモニー。
上手くいえないですが、この物語自体がクラシックなのかも、なんて思っちゃいました。
内容★★★★
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