2010/05/23 (Sun) 20:49
文藝春秋
2009年1月
天才チェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡の物語。廃バスに住む巨漢のマスターに手ほどきを受け、マスターの愛猫ポーンを掻き抱き、デパートの屋上に閉じ込められた象インディラを心の友に、チェスの大海原に乗り出した孤独な少年。彼の棋譜は詩のように美しいが、その姿を見た者はいない。なぜなら……。海底チェス倶楽部、からくり人形、人間チェス、白い鳩を肩にとまらせた美少女、老婆令嬢……やがて最も切なく愛(いと)おしいラストへ。
不思議なおとぎ話のようなお話でした。
チェスがメインのお話ですが、知らなくても十分楽しめます。私は駒の基本的な動かし方を知っている程度です。
私の中では、伊坂幸太郎さんの「あるキング」とダブって見える部分もありました。
ある才能に特化した人って、うらやましい半面、何故か悲しくもあります。
特にこちらのリトル・アリョーヒンは、脚光を浴びることさえなかったからかも知れません。
人の為しえないことを為して語り継がれることは、幸せなのでしょうか。
そのために自分の家族が持てないとしても…。
人の一生ってなんなんでしょうね。
人の幸せってなんなんでしょうね。
内容★★★★
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