2010/05/05 (Wed) 19:34
新潮社
2007年9月
過激派潜入の任務を果たした民雄は、念願の制服警官となる。勤務は、父と同じ谷中の天王寺駐在所。折にふれ、胸に浮かんでくる父の死の謎。迷宮入りになった二つの事件。遺されたのは、十冊の手帳と、錆びの浮いたホイッスル。真相を掴みかけた民雄に、銃口が向けられる…。殉職、二階級特進。そして、三代目警視庁警察官、和也もまた特命を受ける。疑惑の剛腕刑事加賀谷との緊迫した捜査、追込み、取引、裏切り、摘発。半世紀を経て、和也が辿りついた祖父と父の、死の真実とは―。
上下巻あわせて800ページ弱と、結構な長さの本でしたが、すっかり惹き込まれて、最近の私としてはかなりのペースで読んでしまいました。
警察という組織の、巨大なための弊害など、とてもうまく描かれていると思います。
本当の正義とは何かを考えさせられます。
法律、規則を杓子定規に守っているだけでは、悪事はのさばってゆくのでしょう。
「おれたち警官は、境目にいる。白と黒、どっちでもない境目に立っている。おれたちのやっていることが市民から支持されている限り、おれたちはその境目の上に立っていられる」
時効が廃止という法改正の動きも出てきました。
それに限らず、本当にみんなのため、という観点から法律を見直さなければならないときに来ているのかもしれませんね。
内容★★★★★
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