2011/05/23 (Mon) 10:32
講談社ノベルズ
2010年2月
怠惰な生活を送るティーのもとに、三年前に別れた恋人、極上の美女アールからかかってきた一本の電話。「アタシの酷い噂話や嘘をたくさん聞くことになると思う。ティーにだけは知っておいて欲しいと思って。アタシは変わっていない」街に出たティーが友人たちから聞くアールの姿は、まるで別人のように痛々しく、荒んだものだった―。彼女が自らを貶め、危険を恐れずに求めたものとは…。
チヨダ・コーキ。本名、千代田公輝。主に、中高生からの絶大な人気を誇る小説家。人を完全な手駒として描くスラップスティックやブラックユーモアを得意とする反面、その中に社会的な風刺や現代人の病といったモチーフを巧妙に織り交ぜるのが作風。
十五年前、高校在学中に、弱冠十七歳にして『V.T.R.』で代々社のノベル新人賞を受賞しデビュー。以降、次々に著作を発表し、デビューの二年後には『モルヒネの贈り物』(代々社刊)が最初のテレビアニメ化。その後、発表されたチヨダ・コーキの小説はそのほとんどがアニメやゲーム、漫画等々、別のメディアとミックスされて取り扱われている。小説やアニメ、フィギュアなどのグッズ、彼の生み出した世界にまつわる全てのものは、総称して『チヨダブランド』と呼ばれる。
軽やかな文体で、必要なことだけを明確な言葉にすること、そのメッセージ性。剣や魔法が登場する異世界を舞台にし、また現実世界の中にもおよそありえないファンタジーの世界観を持ち込む。(『スロウハイツの神様』(上)より)
「スロウハイツの神様」の登場人物チヨダ・コーキのデビュー作という設定ということで、興味津々読んでみました。
なるほど、こういう作品というイメージだったわけですね。
軽やかな文体に、ちょっと軽い主人公だけに、後半のハードな展開には意表を突かれました。
私の解釈としては、多分アールのすべての行動は、ティーの背中を押すためだったのだと思っています。
なんにせよ、これはデビュー作ということなので、「モルヒネの贈り物」他全盛期の作品も是非読んでみたいですね。
内容★★★★
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2011/05/21 (Sat) 21:21
集英社
2011年3月
少年が小説家になった理由。コンビニ強盗との奇妙な共同作業。ふたりぼっちの文芸部員の青くてイタいやりとり。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。ふと迷いこんだ子どもたちだけの夜の王国。雪の上の靴跡からはじまる不思議な出会い。集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた6つの物語。
ロマンティックだなぁ、最終話の「ホワイトステップ」。
発想もいいと思うし、じゃんけんのくだりには泣けました。
でも、その前の5編がつまらないわけではなく、それらがあったからこそキャラが活きている部分もあると思います。(「王国の旗」だけはあまり好みではありませんでしたが)
バラエティーに富んでいて、まとまりがないようでまとまりのある、やさしさに包まれた短編集だと思いました。
内容★★★★
2011/05/21 (Sat) 18:22
Marvel Comics
February 2011
Ghostの証言により殺人が発覚したCrossbonesは、Thunderboltsから脱退させられる。活動自粛のThunderboltsにあって、退屈を持て余していたMoonstoneは、Ghostに接近し、過去を教えろと執拗に迫る。Moonstoneが元精神分析医ということもあって、Ghostは重い口を開く決心をする…。
本名は明らかにされませんが、GhostはIT企業で働いていたのでした。
仕事は成功し、恋人も出来るのですが、ある日ガス爆発で恋人は死んでしまいます。
悲しみを紛らわせるため、より仕事に没頭するGhostは、いつしか自分の身体にコードをつなげ、完全にコンピューターの世界に逃避するようになりました。
やがて、すべてのデータにアクセスできるようになり、恋人が会社に命令されGhostに接近したこと、恋人がそのことで会社を脅迫し、事故に見せかけ殺されたことなども知ることになります。
そして、Ghostの復讐が始まりました…。
というわけで、大企業のトップであるTony Sterk(Iron Man)をずっと目の敵にしていた理由がようやく明らかになりました。
かける言葉もないMoonstone。
そして、Crossbonesの代わりにHyperionがメンバーの候補にあがってきました。
内容★★★★
難易度★★★
Thunderbolts #148-151
2011/05/21 (Sat) 16:47
Marvel Comics
January 2011
Steve Rogers, Iron Man, ThorがRaftにやってきた。Thunderboltsの現況を視察に来たのだ。デモンストレーションを見せるため、Bruce Bannerの用意したM.O.D.O.K.の元秘密基地へと移動するLuke CageとAvengersの3人とThunderbolts(Ghost, Crossbones, Juggernaut)。だが、Man-Thingを使ってのワープ中に紛れ、Thunderboltsの3人は脱走を企てる…。
150回記念ということで、96ページもありますが、新作は約40ページ。
残りはThunderbolts Saga(97年から今までの解説)と97年の第1話です。
いつか初めから読むという野望があるので(無理かなぁ)、今回は新作しか読んでいません。
MoonstoneはAvengersの3人に会いたがっていましたが、前回SongbirdとFixerを助けなかったということで謹慎。
脱走した3人はすぐに追いつかれ、GhostはIron Man、JuggernautはLuke CageとThor、CrossbonesはSteve Rogersとそれぞれ戦うことになります。
大企業に敵意を抱いているGhostは、Iron Manがすでにすべてを失っていることを知って和解。
JuggernautはLukeとThorに滅多打ち。途中からIron Manも加勢に加わりますが、最終的に止めるのはLukeでした。
Crossbonesは新しいパワーを手に入れてましたが、それでもSteveには勝てませんでした。
結局、面倒見のいいLuke CageがThunderboltsの監督に一番向いている、というのが結論でしょうか。
しかし前回のCrossbonesの件、案外呆気なくLukeに話してしまうとは、意外でした。
内容★★★
難易度★★★
Thunderbolts #148-151
2011/05/20 (Fri) 18:16
講談社
2011年2月
クイズを誰より愛する高校生・鹿川幸彦により創設されたクイズ同好会『ヒポクラテス・クラブ』。鹿川の熱に押されてか、クイズの魅力に引き込まれてか、集ったのは個性豊かなメンバーたち。目指すは全国高校生クイズ大会「ビロード6」出場!…と思いきや、クラブ内では次から次へとトラブルが巻き起こってしまい…!?ついには同好会の存続を賭けた一大事件へと発展してしまう!―果たして、『ヒポクラテス・クラブ』の命運は。
ひとつのことにまっしぐらになれる青春って、やっぱりいいですよね。
クイズに懸ける情熱と仲間を思いやる心。
私も高校生クイズに出た口ですが、この本の皆さんのような努力はまったくしなかったので勿論予選落ち。結果はどうであれ、努力と思い出は比例することを、この本を読んでしみじみ実感しました。後悔先に立たずですが。
キャラもベタでわかりやすく、素直で、青春小説の王道といったストーリー展開でかなり楽しめました。
内容★★★★