2009/09/30 (Wed) 09:38
2009
ジョン・F・ケネディ暗殺事件、ベトナム戦争、キューバ危機…。
かつて世界で起きた数々の事件の陰で、<監視者>たちがいた。彼らは“ウォッチメン”と呼ばれ、人々を見守り続けてきたはずだったーー。そして1977年には、政府によりその活動を禁止され、ある者は姿を消し、ある者は密かに活動を続けていた。
1985年、アメリカ合衆国はいまだニクソン大統領が政権を握り権力を欲しいままにしている。ソ連の間で一触即発の緊張関係が続き、漠然とした不安感が社会を包んでいた。
ニューヨーク、10月のある夜。高層マンションの一室から、ガラス窓が豪快に割れる音とともに、一人の男が突き落とされ殺された。死体のそばには、血がついたスマイルバッジが落ちていた。平和のシンボルに不吉な血痕。世界の終末が近づいているのかもしれない。殺された大男の名はエドワード・ブレイク。かつて“ウォッチメン”と呼ばれていた者の一人であり、スマイルバッジは彼が胸に着けていたトレードマークだった。
しばらくして事件現場に現れたのは、ロールシャッハと呼ばれる薄汚いトレンチコートにフェドーラ帽をかぶった謎の男。顔が白と黒の模様が変化するこの男が、血のスマイルバッジを手に取り見つめている。この“顔のない男”は何者なのか? この暗殺事件を不審に思った“顔のない男”は独自で捜査をはじめ、ダン・ドライバーグ、エイドリアン・ヴェイドなど、かつて“ウォッチメン”とよばれた者たちの周辺を嗅ぎまわり始めた。そして、事件の捜査を進めれば進めるほど、なぜか次々とかつてのヒーローが無残にも消されていく…。いったい何が起きているのだろうか。
なぜ、ウォッチメンが狙われるのか? 誰が何を仕組んでいるか?
何の目的で、かつてのヒーローを殺し続けるのか…。
やがて、世界を揺るがした歴史的事件に関わってきた“ウォッチメン”の真実が徐々に明らかになるにつれて、想像を絶する巨大な陰謀が待ち構えていた。それは世界の未来を脅かす驚くべき計画だった。
これまで人々を監視してきた“ウォッチメン”と呼ばれる者たちの本当の目的とは何なのか。いったい誰が<ウォッチ>して、誰が<ウォッチ>されているのか?
まず、原作をここまで忠実に映像化できていることに驚きました。
難解であの長い話をうまくまとめたことにも感心しました。しかも、あまりアレンジすることなく。
ただ、原作への愛が強すぎるためか、忠実すぎて、原作を読んでいない人には、1回見ただけでは理解しきれないかもしれないという懸念はあります。
でも、原作はヘビーなので、映画でざっと流れを掴んでから原作を読んだほうがわかりやすいかもしれません。
それでも劇中劇(子供が読んでいるコミック)はごっそりカットされたりはしているのですが。(正直この部分は私も読んでいてちょっとかったるかったです)
一般受けを狙うのであれば、もう少しシンプルにする必要があったかもしれませんね。できるかどうかは別にして。
キャラ設定はしっかりしており、各キャラの想いや考えがしっかり描かれていてます。
キャスティングも素晴らしく、原作のイメージを損ねていません。
あえて言わせてもらえば、ナイト・オールが原作より恰好よくなっているのが映画的かなと。(スタイルとコスチューム)
時間と情報量の関係か、「300」ほどのインパクトは感じられませんでしたが、ここまでの表現ができるとなると、これからのアメコミの映像化に期待は膨らむ一方です。
万人受けかどうかは置いておいて、共通の敵を作ることでしか和解できない人間、そして本当の平和というテーマは考えさせられるし、人間の理屈ではない感情という部分がうまく描かれている素晴らしい映画だと思いました。
内容★★★★
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