2010/06/10 (Thu) 22:00
新潮社
2010年3月
あれから三年――。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を掛けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を見る。そしてまた惨劇が……。大藪賞受賞、本屋大賞2位に輝いた傑作の続編が、新たな感動と共に満を持して刊行。
「サクリファイス」の続編。
期待を裏切られず、満足の読後感でした。
主人公は前作での「呪い」を背負ったまま生きているのですが、その内容にはほとんど触れられていないため、「サクリファイス」を読んだかどうかで面白さにかなり開きが出てしまうと思います。
前作同様、いやそれ以上に、あくまでもサポートに回る主人公はあまりにストイックで、読んでいて歯がゆい反面、格好良くもあります。
この人は本当に走ること自体が楽しいんだ、というのがひしひし伝わってくると同時に、本当に好きなことを見つけられたことに羨望の気持ちがあります。
ラストにはやはり仕掛けがあり、ミステリー小説とも呼べないことはないような感じになっています。ドラマ性の方が強いですが。
是非また続きを読みたいです。
内容★★★★
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