2011/04/13 (Wed) 10:31
文芸春秋
2011年3月
こっここと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派の「孤独になりたい」小学3年生。三つ子の姉をはじめ、両親祖父母の7人に愛されて暮らす公団住宅は、孤独とはまるで無縁なのだ。同級生の貧乏も金持ちも難民も在日も体の病気も心の病も、子供の世界の問題はより直接的でより繊細なもの。新たな命や夏休みのある出来事を経て、悩み考え成長する姿をユーモラスに温かく描いた感動傑作。
面白過ぎ。
小学生らしい真っ直ぐさ、純粋さも勿論よかったけれど、強烈な関西弁とツッコミ、リズムが読んでいてとても気持ちよかったです。
「うるさいぼけ」「なにがおもろいねん」
もう、癖になりそうです。
もっと読んでいたかった。
今思えば、昔私も変なことにあこがれてたなぁ。うんうん。
内容★★★★★
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2011/03/10 (Thu) 09:47
新潮社
2010年12月
失恋ばかりの、私の体。ああ、でも、私は彼のことが、本当に、好きだった。
32歳。次は、凪の海みたいな恋愛をしたかった。なのに、彼と関係を結んでから、私は笑えなくなった。好きになるほど、苦しくなるのだ。すべての恋愛は狂気である、という。けれど本当にこの狂気を乗り越え、次の海へと漕ぎ出していけるのか――。行き場のない黒い感情と、その先に見えるほんの少しの希望を鮮烈に描いた会心作。
前半は爽やかな感じでしたが、踏み込むにしたがってドロドロに。
人間、うわべだけ、浅い付き合いではわからないことだらけですよね。
毎日笑顔でいる人だって、心にはきっと何かを抱えている…。
感情の表現がうまく、その情熱は体感してるかのようでした。
しかし、西さんの書く関西弁はなんかかわいく感じます。
内容★★★★
2010/07/03 (Sat) 14:44
角川書店
2010年4月
恋に戦う君を、誰が笑うことができようか?何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化、奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語たち。
私たちは足が炎上している男の噂話ばかりしていた。ある日、銭湯にその男が現れて…。何かにとらわれ動けなくなってしまった私たちに訪れる、小さいけれど大きな変化。奔放な想像力がつむぎだす不穏で愛らしい物語。
現代社会で傷ついた人々の、なんとも不思議な体験を描いた短編集・全8話。
装画も西加奈子さ本人が担当しています。
正直、抽象過ぎて、私にはよく理解できない部分もありましたが、ふわふわした摩訶不思議な世界の体験を味わうのは悪くないです。
文章に独特のリズムがありますね。
内容★★★