2010/06/22 (Tue) 00:39
朝日新聞出版
2010年4月
近々の閣僚入りを確実視されていた国会議員・矢島誠一は、東京地検が彼の家宅捜索を行う当日の朝、謎の自殺を遂げた。真相を探る特捜部特殊直告一班の湯浅と安見は、自殺の数日前から矢島の個人情報が大量にネットに流れ、彼を誹謗する写真や動画が氾濫していた事実に辿り着く。匿名の人間たちによる底知れぬ悪意に不安を覚える二人だったが、やがて彼らにも、犯人による執拗な脅迫が始まる……。
携帯電話にクレジットカードに監視カメラ、Twitter 、mixi…。いろいろなところに個人情報が残されていることに改めて気づかされ、うすら寒いものを感じました。
確かに大掛かりな組織によりすべてを握られてしまえば、個人の情報や行動なんていとも簡単にわかってしまうでしょう。まさに情報化時代です。
そしてもう一つ怖いのは、情報操作。
たとえデマであろうとも、それがスキャンダラスな情報ならば、あっという間に広まり、誹謗中傷の的になってしまいますね。そして、それを止める手立ては殆どない…。
ストーリー的にはオチも含めちょっと読めちゃった感がありますが、便利性ばかりに目が向きがちな情報化時代の弊害を知るうえでは、素晴らしい本だと思います。
内容★★★★
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