2011/06/25 (Sat) 11:02
筑摩書房 ちくま新書
2011年4月
飢餓に瀕して、骨と皮だけになった栄養失調の子供たち。外国の貧困地域の象徴としてメディアに描かれる彼らも、ただ死を待っているわけではなく、日々を生き延びている。お腹がふくれた状態でサッカーをしたり、化粧をしたりしているのだ。ストリートチルドレンや子供兵だって恋愛をするし、結婚をするし、子供を生む。「餓死現場」にも人間としての日常生活はある。世界各地のスラムで彼らと寝食を共にした著者が、その体験をもとに、見過ごされてきた現実を克明に綴る。
第1章 餓死現場での生き方/第2章 児童労働の裏側/第3章 無教養が生むもの、奪うもの/第4章 児童結婚という性生活/第5章 ストリートチルドレンの下克上/第6章 子供兵が見ている世界/第7章 なぜエイズは貧困国で広がるのか
児童労働、売春、児童結婚、少年兵などなど。
この本に書かれている現実をみると、それも生きていくうえではやむをえないものがあるということを突きつけられます。
否定したり非難したりすることは簡単だけれども、じゃあどうするかということまで考えないと、根本から変えていかないことには何も解決しないということがわかります。
私たちの世界は、まだまだたくさんの問題を抱えていることに改めて気づかされました。
また、どんなことでも頭から非難したりせず、熟考してから意見を云う姿勢を持ちたいと思いました。
内容★★★★★
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