2010/05/29 (Sat) 00:59
新潮社
2008年3月
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう。『チーム・バチスタの栄光』を越えるドラマティックな衝撃があなたを襲う!
これも素晴らしい作品でした。
現在の考え直さなければならない官僚制度への批判、医療問題、出産に対する危険度の軽視などなど、大変勉強になりました。
特に、出産というものがどれだけ危険なものか、生まれてくるということがどれだけ奇跡に近いのかを思い知らされ、命の大切さを改めて認識させてくれます。
勉強になるだけでなく、ラストのたたみかける展開もちょっとミステリー仕掛けで楽しませてくれます。
「極北クレイマー」や「ひかりの剣」とも密接な関係を持ち、それらも併せて読むと面白さ倍増です。
「極北クレイマー」はこの物語の直前のお話で、この物語の舞台となるマリアクリニックの院長の息子三枝久広の逮捕劇が描かれています。
「ひかりの剣」は主役こそ「ジェネラル・ルージュの凱旋」の速水ですが、準主役の清川の若かりし頃の剣道に励む姿が描かれています。
まだ読んでいませんが、「マドンナ・ヴェルテ」は患者側からこの物語を描いたお話、「医学のたまご」はこの物語で生まれてくる双子の一人を主人公にしたお話だとか。(ネタばれになるので、あえて主人公の立場を詳しく書いていません。)
まだまだ読みたい本がいっぱいです。
菅野美穂さん主演で映画にもなるとか。
でも小説を読む限り、映像不可能な場面も多々あるので、期待していいのかどうか微妙ですね。
内容★★★★★
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