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2009/12/28 (Mon) 11:03

2003
監督:ピーター・ウェーバー
出演者:コリン・ファース、スカーレット・ヨハンソン、トム・ウィルキンソン
原題:Girl with a Pearl Earring
上映時間:100分
製作国:イギリス、ルクセンブルグ

1665年、オランダのデルフト。タイル職人の父親が失明したため、家計を支える役目を負った17歳のグリート(スカーレット・ヨハンソン)は、画家ヨハネス・フェルメール(コリン・ファース)の家へ奉公に出されることになった。フェルメール家は、気位の高い妻のカタリーナ(エッシィ・デイビス)、彼女の母で家計を取り仕切っているマーリア(ジュディ・パーフィット)、そして6人の子供たちという大家族。フェルメールが1枚の絵を完成させるのに3カ月以上の期間を要するため、家計はつねに逼迫した状態にあり、そのことをめぐる夫婦間の口論も絶えなかった。広大な屋敷には、夫を非難するカタリーナのヒステリックな声と、走り回る子供たちの足音が、昼夜を問わず響き渡っている。しかし、その喧噪を唯一免れている場所があった。フェルメールのアトリエだ。カタリーナから、アトリエの掃除を命じられたグリートは、そこに置かれた完成間近い絵の美しさに強くひきつけられる。
 ある日、フェルメール家では、パトロンのファン・ライフェン(トム・ウィルキンソン)を招いて盛大な晩餐会が催されることになった。マーリアとカタリーナは、その場でファン・ライフェンの注文を取ろうと必死だったが、当のフェルメールは、「次に何を描くか決めていない」と言い、妻と義母を大きく失望させる。しかし、それからほどなくしてフェルメールは新作を描き始める。きっかけを与えたのは、グリートだった。彼女がアトリエの窓を掃除したことによって生まれた微妙な光。その色の変化が、フェルメールを創作に駆り立てたのだ。
 やがて、グリートが優れた色彩感覚の持ち主であることに気づいたフェルメールは、アトリエのロフトで絵の具を調合する仕事を手伝わせるようになる。骨灰を磨りつぶす棒に添えられたフェルメールの手の感触に、思わず男性を意識してしまうグリート。使用人の仕事についてから、彼女は肉屋の息子ピーター(キリアン・マーフィー)と交際を始めていたが、彼に対する気持ちとは異なる崇拝と畏れが入り交じった感情を、グリートはフェルメールに抱くようになる。
 冬がめぐってきたころ、グリートはアトリエのロフトで寝起きをし、家事労働の合間のわずかな自由時間を、絵の具の調合に費やすようになっていた。表面的には主人と使用人の距離を保っていたものの、もはやふたりの関係は、芸術上のパートナーと呼べるものだった。そして、その親密さが、フェルメールの家族の間に波紋を引き起こす。フェルメールの娘コルネーリアは、グリートに泥棒の濡れ衣を着せようとし、かえってフェルメールの怒りを買う。そんなフェルメールの態度に何かを感じ嫉妬心を露わにし始めたカタリーナは、グリートに「疫病神」という侮蔑の言葉を投げつけた。
 マーリアが、絵の注文を取るためにファン・ライフェンを屋敷に招いたのは、それからまもなくのことだった。ファン・ライフェンは、晩餐の席で、グリートをモデルに加えた集団肖像画を描いてはどうかと、フェルメールを挑発する。それは、たちまち町の噂になった。というのも、以前、ファン・ライフェンは、フェルメール家に雇われたばかりの使用人をモデルにした絵を発注し、その後で使用人を手込めにしたことがあったからだ。その話を使用人仲間から聞かされていたグリートは、不安のまっただ中に立たされる。そんな彼女に、フェルメールは言う。「注文された集団肖像画とは別に、君を描く」と。
 デッサンは、マーリア以外の家族には秘密で行われた。フェルメールに頭巾を外せと言われたグリートは、青いターバンを巻き、キャンバスの前でポーズを取る。が、何かが足りないと感じたフェルメールは、カタリーナの真珠の耳飾りをグリートに着けさせようとする。「それはできません」と拒むグリート。だが、フェルメールから描きかけのデッサンを見せられた彼女は、自分自身の内面までが写し取られたその絵の出来映えに息を呑んだ。グリートの中の芸術家の心が、そして、画家を愛する女としての心が、彼女にこう告げていた。絵の中の少女には、真珠の耳飾りが必要だと。
 しかし、この決断によって、グリートは大きな代償を支払うことになる……。


スカーレット・ヨハンソンが神懸かり的な美しさを発揮している映画でした。その口数少なく、息遣いだけで感情を表現しているのも拍車をかけている気がしました。
フェルメールが、惹かれつつも手を出せないその神々しさが彼女にはあります。
ストーリー自体にはとりたてて惹かれるものはないのですが、その映像美、色使い、光の加減などには見とれてしまいます。

原作はトレイシー・シュヴァリエの同名小説で、人物構成やラストが異なるようです。

内容★★★★



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