2009/02/14 (Sat) 10:33
新潮社
2007年10月
東京の静かな住宅街で立て続けに起こる、陰惨な一家連続殺人。現場には裸に剥かれノコギリで体中を抉られた両親、宗教家のような姿勢で喉を掻き切った少年の姿があった。自らも家庭に修羅を抱える刑事・馬見原光毅と、第一発見者となった美術教師・巣藤浚介の人生をも巻き込んで、事件は意外な展開を見せる…。山本周五郎賞受賞の名作が、ファンの熱い期待に応え1995年当時のオリジナルバージョンで登場。
長かったです。550ページ強。
物語は興味深く、ぐいぐい引き込まれていくので一気に読みたかったのですが、なかなか時間がとれず…。
時間を費やした価値のある本でよかったです。
なぜ「オリジナル版」となっているかというと、2004年に全文を書き直した文庫版が存在するからです。
細かい部分や結末が違うとの事で、早速読んでみたいところですが、この文庫版も全5巻とかなりヘビーで時間が取れるかどうか…。
この作者の他の作品も読んでみたいし…。
家族とは何なのかを考えさせられる作品。
家庭内暴力とか、ニュースの世界だけの話だと思っていました(もしくは思い込もうとしていました)が、現に今、教えている生徒の中にもここまではいかなくても少し近い状況にあり、決して人事とは思えなく、この作品は胸に刺さりました。
無関心、すれ違い、うまく伝えられない感情…些細なことで脆く崩れる家族というもの…。
「世間一般にいう理想の家族」というプレッシャーは、確かに私にもないとはいえないようです。
深い作品ですね。
中高生にも読んでもらって是非考えてもらいたいテーマですが、ちょっと残虐すぎる表現が、ちょっと躊躇わせます。
内容★★★★★
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