2010/03/27 (Sat) 11:16
2003
監督:ラース・フォン・トリアー
出演者:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、ローレン・バコール、クロエ・セヴィニー、ステラン・スカルスガルド
原題:Dogville
上映時間:178分
製作国:デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、他
山あいの小さな村ドッグヴィルにひとりの女・グレース(ニコール・キッドマン)が逃げ込んでくる。どうやらギャングに追われているらしい。村一番のインテリを自負し、人々を正しく導くことに情熱を燃やすトム(ポール・ベタニー)は、素性の知れない彼女をかくまうことを住民たちに提案する。グレースを受け入れる条件は、2週間で彼女が村人全員から気に入られること。閉鎖的な人々と打ち解けようと、グレースは肉体労働を申し出て必死に尽し始める…。
これは衝撃的な映画でした。
チョークで線を引いただけの、おままごとみたいというか、壁のない建物台、そう、まるで演劇を見ているような舞台に、まず好奇心がそそられます。
プロローグと9章に物語が分かれている点も演劇っぽいかもしれません。
でも、この映画はそれだけに終わらず、人間の暗黒面というか、エグイ部分を曝け出すように描かれていて、それがすごいのです。
最初は人のいい村人たちが、時が経つに連れ、慣れというか、調子に乗るというか、本性が現れていくというか、見ていて憤りを覚えるほど醜いというか、酷いというか、悲しいです。
でも、大小の差はあれ、これが人間の本性かなって思います、悲しいけれど。
遠回しに人を脅して服従させる様は、ある意味殺すことよりえげつなくも感じました。
3時間もある映画なのに、長さを感じることなく、圧倒されっぱなしでした。
何故主人公はここまで我慢し続けるのか、というストレスも観ていて感じるのですが、それも最後には解消されれます。
集団心理、偽善、残虐性、自己防衛、羨望、嫉妬などなど、いろいろ考えさせられる深い映画でした。
「機会の土地-アメリカ」の3部作の第1章ということらしいですが、続編の「マンダレイ」「Wasington」も是非観たいところです。
内容★★★★★
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