2010/02/04 (Thu) 12:27
2006
監督:張之亮(ジェイコブ・チャン)
出演者:劉徳華(アンディ・ラウ)、安聖基(アン・ソンギ)、王志文(ワン・チーウェン)、范冰冰(ファン・ビンビン)、呉奇隆(ウー・チーロン)
上映時間:133分
製作国:香港、日本、中国、韓国
この作品の主人公である革離が所属する“墨家”は墨子(ボクシ)という人物により創設された思想集団であるという。“墨家”の思想は「兼愛」「非攻」「非楽」「尚賢」などの意味を含めた十の主張に纏められているが、そこが目指したのは国家の平和共存的な安定であった。実は“墨家”は歴史的な史料がほとんど残されていない集団であるというが、「自説を墨守する」などと使われる言葉“墨守”にその名残、思想性がきちんと引き継がれている。これは「どのような攻撃からも城を守りきり、的を退けた」という出来事から生まれた言葉であり、“専守防衛”的な思想である。現代という時代にも通用するはずのこの思想集団はあっという間にその姿を消してしまったという。
圧倒的な軍勢を持って攻め込んでくる趙に対し、革離は降伏することの惨めさを説き、自らの指揮の下、様々な戦略を練り、軍人や民衆の支持を勝ち得ていく。ただ、そうした戦略が当たること、それによって熱狂的支持を獲得していくことは、革離に別の気持ちを抱かせていく。大きな戦いが起きるごとに味方はもちろん、敵からも出る大量の死者は「兼愛」や「非攻」という思想が自分の体内を流れる血液のようになっている革離にこうした戦いの無意味さを痛感させ、彼自身を精神的に追い詰めていくのだ。一方、梁の国王やその支持者たちは戦いの勝利は歓迎するも、革離に対するこの盛り上がりに不信感を募らせていく。
ストーリーはかなり面白いですが、演出がちょっと…。
たくさんの人を使っていてスケールも大きく豪華なのに勿体ないです。
ラストも納得いかないですね。主人公はそれでいいと思っているのかな。
それでも演出さえ我慢できれば、知能戦とダイナミックな映像は楽しむことが出来ます。
革離の生き様の恰好良さと共に、戦争の無意味さ、人間の残酷性について改めて実感させられました。
原作は酒見賢一の同名小説。漫画も出ていますが小説とはストーリーが異なるようです。どちらも評判がいいので読んでみたいですね。
内容★★★
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