2009/10/01 (Thu) 09:46
2008
妻に先立たれ、一人暮らしの頑固な老人ウォルト。
人に心を許さず、無礼な若者たちを罵り、自宅の芝生に一歩でも侵入されれば、ライフルを突きつける。
そんな彼に、息子たちも寄り付こうとしない。学校にも行かず、仕事もなく、自分の進むべき道が分からない少年タオ。彼には手本となる父親がいない。
二人は隣同士だが、挨拶を交わすことすらなかった。
ある日、ウォルトが何より大切にしているヴィンテージ・カー<グラン・トリノ>を、タオが盗もうとするまでは ――。
ウォルトがタオの謝罪を受け入れたときから、二人の不思議な関係が始まる。
ウォルトから与えられる労働で、男としての自信を得るタオ。
タオを一人前にする目標に喜びを見出すウォルト。
しかし、タオは愚かな争いから、家族と共に命の危険にさらされる。
彼の未来を守るため、最後にウォルトがつけた決着とは――?
「ミリオンダラー・ベイビー」「硫黄島からの手紙」「ミスティック・リバー」「パーフェクト・ワールド」「許されざる者」…。
クリント・イーストウッドって結構監督作多いのですね。
マカロニウエスタン大好きな私にとって、クリント・イーストウッドのファンであることは当然ですが、監督として意識し始めたのは「ミスティック・リバー」からでしょうか。
「ダーティハリー」「夕陽のガンマン」などのように、主演代表作からのイメージはアクション俳優という印象ですが、監督作はアクションに頼ることなく、骨太で考えさせられる作品が多いです。
この作品も例に洩れず、アクションはほとんどなく、有名俳優起用もなく、まさに中身で勝負といった感じでした。
フォード→トヨタに見るアメリカ経済の衰退、他民族の移住、人種差別、家族の絆の希薄さ、なくなるとのない理不尽な暴力…。
様々なアメリカの問題点が浮き彫りになっています。
でもこれはアメリカに限らず、日本でも起こりつつある問題でもあると思います。
そして衝撃のラスト。
この作品を以って俳優業を引退すると発表したクリント・イーストウッドですが、私にはこの作品は、銃を撃つことを生業としていた主人公ハリーたちの最後にも見えたのでした。
内容★★★★★
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