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2009/08/25 (Tue) 10:00

2004

アメリカ中西部でトレイラー・ハウスに住むほど貧しい上に家族が崩壊状態にあり、死んだ父親以外から優しい扱いを受けてこなかったマギー・フィッツジェラルドは、プロボクサーとして成功して自分の価値を証明しようと、ロサンゼルスにあるフランキー・ダンのうらぶれたボクシング・ジムの戸を叩いた。
フランキーはかつて止血係(カットマン)として活躍した後、トレーナーとなってジムを経営し、多くの優秀なボクサーを育ててきた。しかし、彼らの身の安全を深慮するあまりに慎重な試合しか組まない上に不器用で説明が不足していたことからビッグチャンスを欲するボクサーたちに逃げられ続け、その不器用さは家族にも波及し、実の娘ケイティとは音信不通になっている。
マギーがジムに入門したのは、フランキーが最近まで手塩にかけて育ててきたビッグ・ウィリーに逃げられたばかりの時だった。最初フランキーはマギーのトレーナーになることを拒んだものの、フランキーの旧友でジムの雑用係、元ボクサーのエディ・『スクラップ・アイアン』・デュプリスが彼女の素質を見抜いて同情したこともあり、次第にフランキーは毎日ジムに通い続けるマギーをコーチングしはじめる。そして練習を通じ、やがて2人の間に実の親子より強い絆が芽生えて行く。
マギーはフランキーの指導の下、試合で勝ち続けて評判になりはじめる。あまりの強さから階級を上げる事になったものの、そのウェルター級で遂にイギリス・チャンピオンとのタイトルマッチにまでたどり着く。この試合でアイルランド系カトリック教徒のフランキーは、背中にゲール語で「モ・クシュラ」と書かれた緑色のガウンをマギーに贈るが、マギーがその言葉の意味を尋ねても、フランキーはただ言葉を濁すだけだった。
タイトルマッチの後も勝ち続けてモ・クシュラがマギーの代名詞ともなり出した頃、フランキーは反則を使う危険な相手として避けてきたWBA女子ウェルター級チャンピオン、『青い熊』ビリーとの試合を受けることを決める。しかし、その試合で、二人を待っていたものは衝撃の結末だった…。


アカデミー賞4部門受賞作品。
にもかかわらず、かなりの論争を巻き起こした作品らしいです。
それは、ラストで「尊厳死」について扱っているからだそうです。
私としては、クリント・イーストウッドは多分、これが正しいこととして描いているわけではなく、彼らはこういう選択をしたというだけのことだと思うのですが…。
だって、明らかにそれが正しいなんていう描き方には見えなかったのですが…。
人それぞれ考え方は違うと思うし、映画にすると、それを主張していると捕らえて反発が巻き起こるのはどうなのでしょう。
問題定義のない、画一された映画しか排出されなくなってしまうのではないでしょうか?
そちらのほうが不安です。

主演は「P.S.アイラヴユー」のヒラリー・スワンク。
二つの作品を比べるとまるで別人。すごい女優ですね。

この映画のテーマは、包み込むような静かな愛にあると思うのですが、私には「君に読む物語」と同じように思えてなりません。
前半のスポ魂の印象は、映画が進むにつれ、静かに胸に沁みいる感動に変わります。
家族とは何なのか、人生とは何なのか、考えされます。

内容★★★★★


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