2009/03/05 (Thu) 10:47
朝日新聞社
2007年4月
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。
2008年度本屋大賞第4位
この本の前に読んだ「一瞬の風になれ」の爽やかさと打って変わって、こちらはドロドロのイメージ。
あまりにリアルすぎて、ああこれが現実なんだなぁと嫌でも認識させられて、読んでいて辛かったです。
登場人物も、どうしようもなく嫌な奴が何人かは登場します。
これを読むと、本当の意味での「悪人」を裁くシステムはこの国にはないんだと、改めて認識し悲しくなってきます。
考えさせられるいい本でした。
最後は涙が止まらず、読むのを中断しなければならないほどでした。
ニュースや新聞を見て、表面だけで判断するのはやめるべきですね。
そこには当人たちだけにしかわからない事情があるのだから…。
内容★★★★★
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