2010/06/13 (Sun) 23:58
ポプラ社
2010年2月
わたしがいなくなっても、あなたが明日を生きていけるように。
大切な人を亡くしたひとつの家族が、再生に向かうまでの四十九日間。
家族を包むあたたかな奇跡に、涙があふれる感動の物語。
熱田家の母・乙美が亡くなった。気力を失った父・良平のもとを訪れたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、生前の母に頼まれて、 四十九日までのあいだ家事などを請け負うと言う。彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を、良平に伝えにきたのだった。
プロローグを読んだ時点で、この本はヤバイと思いましたが、やはりそうでした。最後の方はもう、涙で溢れ読み進めるのが困難になってしまいました。
どんなに好きでも、それがうまく伝えられようがられまいが、容赦なく人の死は、別れは誰にもやってきます。
この乙美のように、準備ができればよいのですが、私にはそれもできそうになさそうです。
なので、愛する人たちに対し、毎日できるかぎり感謝が伝わるように生きていきたいな、良平や百合子のように悔むことがないようにしていきたいな、なんて思いますが、現実にはなかなか難しいようです。でも、努力は続けるつもりです。
「きっと人生には何かが必要だ。食って寝て起きての日々を鮮やかに彩る何かが。幸せな気持ちを作りだす何かが。笑い、喜び、驚き、ときめき、期待する、心を動かす美しい何かが。」
それは愛する家族と過ごすことによって生まれるものだと、私は思います。そしてそれを大切にしたいです。
そして、ひとりでも多くの人のテイクオフ・ボードになれたのなら、こんな幸せなことはないのでしょうね…。
内容★★★★★
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