2009/03/19 (Thu) 11:36
新潮社
2007年11月
仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界―、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。
2008年本屋大賞受賞作品。
「魔王」はイマイチな印象だったけど、こちらはスゴイです。
伏線も細かく張り巡らされ、詳細な設計図を元に描かれたような作品。
政治、マスコミ等、つい鵜呑みにしがちな事柄についての警告ともとれる内容。
それでいて、緊迫感にあふれ、読むことを中断するきっかけさえ与えない文章。
この作品は手放しでほめるしかないですね。
こんなにいい本ばかりに出会うと、ここ数年ほとんど本を読まなかったブランクが悔やまれます。
今年はどんどん読むゾ~っ。
内容★★★★★
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