2011/06/27 (Mon) 22:13
筑摩書房
2011年5月
甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。3年ぶり、著者の新境地を開く渾身の長篇書き下ろし。
この本でも人との繋がりの大切さを教わった気がします。
この小説の主人公二人は、残念ながら血の繋がった親とはよい関係ではいられませんでしたが、それぞれ支えてくれる人が存在しました。
何が人を幸せにするのか。それは、その人の経験と生き様で決まってくるのかもしれませんね。
内容★★★
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2010/09/29 (Wed) 15:18
理論社
1998年7月
「おめでとうございます、抽選に当たりました!」 生前の罪により、輪廻のサイクルから外されていた僕の魂は、天使業界の抽選によって再挑戦のチャンスを得た。それは、自殺を図った少年、真(まこと)の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならない修行だった。天使のガイドのもと、真として過ごすうちに、僕は家族や友人の欠点が見えてくるようになって……。 深刻なテーマを、森さんならではのユーモアで包み、あたたかくホロリとさせる不朽の名作。
境遇からいっても、もっと深刻であってもいいはずなのに、代理という立場ゆえに結構気楽に状況を受け止める主人公。
ようは、真剣に受け止めることは大事だけれども、深刻になり過ぎないこと、たまには受け流すくらいでやっていったほうがいいよといっているのですね。
行き詰っても、この主人公のように視点を変えることができれば、今まで見えなかった面もきっと見えて、そこに希望が持てるはず。
家族や友人ににしても、殻の中から見て判断するのではなく、勇気がいるけれど、一歩踏み込んでみないと、その人のことはいつまでたっても理解できないままです。
まさに死んだ気になってやり直してみる、をそのまま実践したような小説ですね。
ストーリー的には少し安直で物足りない部分も感じないわけではないですが、この爽やかさは捨てがたいです。
森絵都さんといえば、「DIVE!!」がまだ半分しか読んでないのでした。いろいろ手を出し過ぎですね、私。
この本が最近話題になったのは、アニメ化したからなんですね。しらなかった。ちょっと気になります。
内容★★★★
2010/06/16 (Wed) 18:41
講談社青い鳥文庫
2009年10月
オリンピックへの第一歩ともいえるアジア合同強化合宿。その参加権を賭けて、知季、要一、飛沫の3人は選考会へのぞんだ。そして、その結果は、彼らにとってはっきりした明暗をもたらす――。遥か遠くにあると思っていた、4年に1度の大舞台。夢を現実のものにしようと、みずからの可能性の限界にまで挑戦する少年たちの青春を描く名作、第2巻。
「成功率は?」
「率じゃないんだ」
「え」
「率じゃなくって、気合いなんだよ」
ということで、自信がついた知季くんの活躍が描かれていくかと思いきや、この巻は飛沫くんの挫折が中心でした。
もしかして、3巻は要一くんが主役、4巻が3人という構成かもしれませんね。
この本の良いところは、年下だからと見下す人がいないことですね。ひとりひとり、人間として向き合っています。
内容★★★★
2010/06/15 (Tue) 20:43
講談社青い鳥文庫
2009年7月
高さ10メートル。そそり立つ飛込み台から空中へと体を投げだして、水中までわずか1.4秒。ほんの一瞬に全身の筋肉を使って複雑な演技を披露するのが、飛込み競技。危険と隣り合わせの、とてつもない緊張を要する、このきびしいスポーツの魅力を、体で味わってしまった3人の少年がいた。全くタイプのちがう彼らが、自分の可能性に賭けて、オリンピックをめざす青春小説の傑作!
全4冊の1冊目ということもあり、まだ感想らしい感想はないです。
陸上、剣道、ボクシングとスポーツ小説を読んできましたが、今回は飛び込み。
今回も私の知らない、その競技の奥深さを学ぶことになりそうです。
主人公は中学生ということで、私の読んだスポーツ小説の最年少ということになりすです。
まだ将来なんて見えるわけもなく、いろいろ迷い、いろんな人に出会い…。そんな多感な時期の少年が上手く描けていると思いました。
内容★★★★