2011/07/05 (Tue) 10:54
メディアワークス文庫
2011年5月
春川巧が主宰を務める小劇団『シアターフラッグ』。300万の負債を抱え解散の危機が迫る劇団に、地方都市の高校から学校公演の依頼が舞い込む。利益が見込めないことを理由に反対する鉄血宰相・春川司を尻目に、初めての公演依頼に舞い上がる『シアターフラッグ』のメンバー達。しかし、意気揚々と学校へ乗り込む彼らに思いも寄らぬトラブルが次々と降りかかり…!?有川浩が舞台『もう一つのシアター!』のために書き下ろした珠玉の脚本集。巻末には、大和田伸也、阿部丈二とのスペシャル対談も収録。
「シアター!」2作を読んでいたのでそれなりに楽しめました。
ゲストとして「三匹のおっさん」の祐希くんも登場するし、作者がそのまま脚本を手がけているので勿論キャラはみんなそのままだし、ファンサービスといった感じかな。
ただ、キャラの予備知識なしに舞台を見たらどうなのよ、と思うところはあります。
あと、注釈が章末というのは読みにくかったですね。本当は同ページがいいけれど、できなければせめて巻末がよいのでは。
でも、「シアター!3」への期待は微塵も揺らいでないです。
内容★★★
PR
2011/06/29 (Wed) 20:15
角川書店
2011年3月
地方には、光がある―物語が元気にする、町、人、恋。とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するが…。「バカか、あんたらは」。いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む―いったい何がダメなんだ!?掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。
これも目的に対する情熱が熱いです。元気をわけてもらいました。
地方活性化の苦難とアイデア、勉強させてもらいました。夢があってええですね。
方言もなにやらかわいいし、行ってみたいな高知。でも、遠すぎ。
お約束?のさわやかな恋愛もダブルであったし、清遠さんには泣かせられるし、とっても楽しめました。
よい本です。できれば他の県のも読んでみたいです。
内容★★★★★
2011/03/25 (Fri) 10:25
アスキーメディアワークス
2011年1月
「2年間で、劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」―鉄血宰相・春川司が出した厳しい条件に向け、新メンバーで走り出した『シアターフラッグ』。社会的には駄目な人間の集まりだが、協力することで辛うじて乗り切る日々が続いていた。しかし、借金返済のため団結しかけていたメンバーにまさかの亀裂が!それぞれの悩みを発端として数々の問題が勃発。旧メンバーとの確執も加わり、新たな危機に直面する。そんな中、主宰・春川巧にも問題が…。どうなる『シアターフラッグ』!?書き下ろし。
各キャラクターにさらに踏み込んだ内容になっていて、前作同様完全に世界に入って楽しめました。
こんな青春送れてたらなぁ、ってホント思います。
表紙のイラストを見たとき、まだ描かれていないメンバーが数人いたのでもしやと思ったのですが、あとがきを読んで、やはりまだ続きがあることがわかってとてもうれしかったです。
来年くらいにはまた彼らと再会できそうです。
内容★★★★★
2011/03/23 (Wed) 10:00
アスキー・メディアワークス文庫
2009年12月
小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。
「キケン」に少し雰囲気の似た、みんなで協力して頑張る姿が描かれていて、読んでいてまたもや幸せな気分が味わえました。
どのキャラクターも温かくてやさしくて…。ホント、有川さんの描くキャラは好きだなぁ。
ずっとこの世界に浸っていたい気分にさせてくれます。
演劇という、まったく知らない世界の勉強にもなったし、何よりすぐに続きが読めるなんて、なんという幸せ。
内容★★★★★
2010/12/01 (Wed) 21:47
文藝春秋
2009年3月
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴りこまれてたまるかと、かつての悪ガキ3人が私設自警団を結成。定年後、近所のアミューズメントパークに出向中の剣道の達人キヨ、居酒屋の元主人で柔道家のシゲ、機械をいじらせたら無敵の工場経営者ノリの3人を中心に、キヨの孫とノリの娘の高校生コンビがからみ、詐欺や痴漢、動物虐待など、ご町内の悪を斬ります! 「図書館戦争」シリーズが大ブレイクした著者の「イマドキのお年よりは若い」という思いから始まりました。涙あり笑いありの時代劇をみるような爽快感。
有川さんの本にハズレはないなぁ。この作品もとても面白かったです。
毎回思うのですが、ホント、惚れちゃう様な登場人物を書くのがうまい!
清一さんも重雄さんも則夫さんも祐希くんも芳江さんもとても気に入っちゃいました。
お話が楽しいだけでなく、近所でのネットワーク、子どもたちの安全について、お年寄りの孤独、などなど身近な問題を取り上げていて、考えさせてくれます。
さらに、御馴染みの甘酸っぱい恋もやっぱり盛り込まれていて、とってもお得な気分でした。
内容★★★★★